
ベンジャミン・フランクリン①
アメリカ合衆国建国の父と言われ、政治家や発明家、文筆家としても知名度のあったベンジャミン・フランクリン。
多くの人々に支持され、現在でもアメリカ紙幣の100ドル札に肖像画が印刷されています。
典型的なアメリカ人として、現代でも尊敬され続けている彼の人生を紹介します。
18世紀のはじめ、彼はろうそく職人の両親の元に生まれます。
17人兄弟の15番目という大家族で生活は貧しく、十分に教育を受けられなかった彼は10歳で学校教育を終えます。
12歳になると兄が経営する印刷出版業者で働き始め、印刷技術への学びへの切実な態度、知識への貪欲さが、後のアメリカ合衆国建国の父を育てていきました。
兄の会社を辞め独立し、印刷業を順調に成功させたベンジャミン・フランクリンは書店の経営も開始します。そしてアメリカ史上初となる「本の無料貸し出し」を開始します。この行動が、現代では「図書館」という名目で世界中に存在しています。
書店の経営をしていた彼は、ある一人のクレーマーに出会います。
「この本が2ドルは高いから値引きしろ」とフランクリンに迫るクレーマーですが、フランクリンはこう返します。
「では、2ドル50セントでお売りしましょう」
客は怒り、ふざけるな、本当の値段を言えと、更に彼に詰め寄ります。
そこで彼はこう答えました。
「3ドルです」
そして、こう続けました。
「時間はお金です。あなたとの無駄なやり取りの時間がこの本の値段を上げました。私としても、あなたの時間を損しないためにも最初から2ドルで買って頂いた方がよかったのですが…」と。
この言葉に納得した客が3ドルを支払おうとすると、フランクリンは「時間の大切さをわかっていただけたのでしたら、2ドルで結構です」と、2ドルを受け取り本を客に売り渡しました。
ベンジャミン・フランクリンだけでなく、人を動かすエネルギーを持っている人は時間を大切にします。
誰でも知っているスティーブ・ジョブズは、マッキントッシュの起動時間短縮に難色を示すエンジニアたちに向かってこう言いました。
「世界中でマックを使う人が500万人いた場合、1日10秒、マックの起動に余計な時間がかかるとする。人数で考えると年間3億時間だ。言い換えれば、1年間で100人分以上の人生に相当する時間を、我々が生み出せるのだ」
この言葉に刺激を受けたエンジニアたちは、当初の目標であった10秒を大きく上回る28秒の短縮に成功します。
タイムイズマネーは、どんな時でも意識しましょう。